筆者:今井晋
Steamにはたくさんのゲームとともにサウンドトラックも販売されています。サウンドトラックはゲームデータの一部やDLCとしてMP3やFLACといったファイルで配布されます。これらの音源ファイルはPCの音楽再生ソフトで自由に聞くことができますが、ファイルのある場所がゲームによって異なっているなど、少々扱いにくいものでした。
しかし、昨年9月にリリースされた「Steam Music Player」ではSteamで購入した音源ファイルを簡単に聞くことができます。本格的な音源再生ソフトと比べると機能は限られていますが、Steamならではの機能もあります。今回はそのSteam Music Playerを紹介します。
Playerを使用するためには初期設定が必要です。設定は右上の「Steam」タブ>「設定」>「ミュージック」から行います。初期状態では「ライブラリ」>「ミュージック」からも同じ設定画面に飛べます。
最低限必要な設定はライブラリを読み込むためのファイルのスキャンだけです。設定画面の一番上「ミュージックライブラリ」にはデフォルトで「Users\○○\Music」と「Steam\steamapps\music」のパスが設定されているはずです。とりあえずSteamで購入した音楽が聞きたいという人は、その下の「今すぐスキャン」を押しましょう。
Steam以外の音源の登録や他の機能の設定もここで行いますが、後で説明します。
音源ファイルがスキャンされるとライブラリが自動で構築され、Playerが使用可能になります。使い方は簡単。「表示」タブから「ミュージックプレイヤー」を起動する、もしくは「ライブラリ」の「ミュージック」の項目から好きな音源をクリックするとPlayerが起動します。
Playerの機能はとてもシンプル。再生やトラックの操作、ループ再生、シャッフルくらいしかできませんが、ちょっとした音楽プレイヤーには最適です。Playerのウィンドウは独立しているため、Steamクライアントを閉じても操作可能です。ライブラリも非常にシンプル。ソートはアルバム、アーティスト、プレイリストの3つ、プレイリストはPlayerに登録した音源を自分の好みで並び替えるだけです。
機能は限られたプレイヤーですが、ゲーム中でもSteamオーバーレイから操作が可能です。そのため、ゲームをしながら気軽にお好みの音楽を再生できます。さらにBig Pictureモードにするとライブラリーのアートワークがずらりと並びます。
Steamで購入したサウンドトラックを聞くのが基本的な使い方ですが、他で入手した音源も聞くことができます。さきほどの設定画面の「ミュージックライブラリ」に音源ファイルのパスを設定し、スキャンすることでライブラリに登録されます。現在のところはまだMP3にしか対応していませんが、アートワークやアーティスト名なども自動的に反映。Steamを常時起動しているようなヘヴィーなゲーマーなら、他の音源再生ソフトを立ち上げるよりも動作が軽いというメリットがあるでしょう。
また任意でアプリケーションの起動時やボイスチャット時に音楽を一時停止する設定が可能。音楽を聞きながら仕事や作業をしつつ、息抜きにゲームを始めると自動的に音楽を止めたり、音楽を聞きながらテキストチャットをしつつ、ボイスチャットを始めると自動的に音楽を止めたりといったことが可能。まさにSteamとともに生きる人にとっては気の利いた音楽プレイヤーになるでしょう。
最後にSteam以外でのゲームのサウンドトラック入手法を紹介します。というのもまだまだSteamでは販売されないサントラもありますし、販売されていても音質が悪いものがあります。音質やアートワークにこだわる人なら他の販売サイトで購入して、Playerに登録するのが良いでしょう。
まず取り上げたいのはBandcampです。もともとはインディーロック系の音楽販売サイトでしたが、インディーゲームのサウンドトラックもかなり豊富にあります。何よりの魅力は値段の安さと対応フォーマットの豊富さ。MP3は当然のこと、AAC、FLAC、Oggといったフォーマットを選べます。SteamではMP3でしか聞けませんが、他のプレイヤーではFLACで高音質を楽しむこともできます。
次はみんな大好きHumble Bundle!ゲームのバンドル売りの代名詞ですが、いくつかのバンドルいはサウンドトラックが同梱されています。そのまま放置している方もいますが、せっかくなのでこの機会にダウンロードしてSteamのライブラリに統合しましょう。Humble BundleではMP3の他にFLACのデータを配布していることもあります。
最後に紹介するのは日本のゲーム音楽配信サイトのEGG MUSIC。レトロゲームのリマスター版サウンドトラックなどを販売しており、マニアなら感涙必至のサイトです。音源フォーマットはほぼMP3なのでSteamでも聞くことが可能です。
以上が簡単なSteam Music Playerの紹介です。良きSteamライフを!