楽園という名の地獄へようこそ『Dead Rising』

ゲームタイトル:
開発元:
パブリッシャー:
定価:
1,990円
Dead Rising

家庭用ゲーム機には、「キラータイトル」と呼ばれる人気タイトルがある。たとえば、“Playstation”であれば『ファイナルファンタジー7』、PCゲームでは『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』が、キラータイトルといえるだろう。今回レビューするのは、XBOX360において『アイドルマスター』に並ぶキラータイトルとなり、10年の時を経てPC向けにリメイクされたゾンビアクションゲーム『DEAD RISING』だ。

目に映る全ての物が狂気な凶器
Dead Rising

主人公“フランク・ウェスト”は、フリーのジャーナリストである。コロラド州ウィラメッテで軍による交通網と情報への完全封鎖が行われていると知り、ヘリで潜入取材を試みることにした。途中、軍の妨害にあい、引き返せなくなったフランクは、ウィラメッテ中央にそびえ立つ大型ショッピングモールへ降り立つ。

ショッピングモールでは、わずかに生き残った人たちが肩を寄せ合い、バリケードを築いていた。しかし、とあるキッカケでバランスが崩れ、崩壊が起きる。フランクは、その崩壊に巻き込まれ、おびただしいゾンビの真っ只中に放り出されてしまった。命からがら逃げ出したところから、話は始まる。救助のヘリは、72時間後。ヘリがくるまで「取材」と言う名のサバイバルゲームを生き抜くのが本作品の目的だ。

Dead Rising

自分の身は、自分で守らなければならない。既にパニックになった店内には、凶行をとがめる人物はいない。そこら中の店から、好きなだけ商品を根こそぎ持って行けばいい。広いショッピングモール内では、どんな場所であっても(威力に差はあれど)何かしら役に立つものが拾えるようになっている。バットやゴルフクラブ、果ては巨大なぬいぐるみなど、凶器とは程遠い物も、フランクにとっては武器となる。

Dead Rising 少ない人数であれば、フランクの敵ではない。
ただし、序盤で大人数に囲まれると、一気に窮地に陥る。武器にも耐久度があるので、注意しよう。

フランクはありとあらゆる物を武器にできるが、戦士ではない。本来の業務であるジャーナリストの責務を果たすことも非常に重要な仕事だ。首から提げたカメラは、アクセサリーではなく、実際に写真を撮ることができる。

Dead Rising

写真を撮ると、PPというポイントを稼ぐことが可能。撮った写真の内容で、ムードが決められる。特定のムード写真は、ポイントが高いといった要素もある。このPPは、フランクの経験値も兼ねており、一定数のポイントが貯まるとレベルアップする。レベルが上がれば、持ち運べるアイテムの量や、格闘技テクニックなどが進化し、フランクは超人となっていく。

Dead Rising 最大まで鍛え上げると素手でも大量のゾンビに対処できるようになる。しかしながら過信は禁物。

稼いだPPや撮った写真、経験値は、ニューゲームで何度でも引き継げる。そのため、最初から好きなようにプレイするのがオススメだ。ストーリーを追うのも良し、全ての店を巡ってマップを覚えていくのも良し。何度か繰り返しているうちに、本作品の別の側面が見えてくるだろう。

本当に怖いのはゾンビではなく生きた人間
Dead Rising

オープニングの後、警備員だったオティスと、ワケありの公務員ジェシカが合流し、屋上にある倉庫兼管理人室からモール内部へと赴くことになる。オティスとジェシカは、監視カメラに映った生存者や中の様子を通信機で逐一報告してくれる。生存者の報を聞いたら、できる限り生存者を救出しよう。生存者を助けることができれば、大幅なPPが手に入るほか、特定の生存者によってはボーナスなども期待できる。

Dead Rising 生存者のAIは、そんなに賢くない。ちゃんと誘導しないとゾンビに食い殺されてしまうので、しっかり先導しよう。
Dead Rising

しかし、生存者の一部は極限状態に陥ってしまい、すでに人間ではなくなってしまった人もがいるので注意が必要。なかでも「サイコ」と呼ばれるボスは、ゾンビを遙かに上回る体力と凶悪な攻撃を備えているため、フランクにとってはゾンビ以上に最悪の敵となる。フランクも含め、人間ほど恐ろしい生き物はいないと感じてしまうほど、サイコたちは狂気に満ちあふれている。

Dead Rising ストーリーモードを進めることで、狂気は加速していく。真実を求めて、危険の中に飛び込むことになるだろう。
笑気と狂気も紙一重
Dead Rising

本作品を語る上で欠かせないのが、衣装の豊富さである。どんなムービーシーンでも現在のコスチュームが適用されるため、シリアスなシーンにも関わらず、ギャグシーンにしか見えなくなることもある。コスチュームは、セーブデータを引き継いだ場合でもそのまま装着されるため、オープニングからハチャメチャな格好で暴れ回ることもできる。フランクは、店内にある衣装を上から下まで着こなす。服を着替えると、ポーズまで決めるサービスまでついてくるのがニクい。シリアスな設定を持ちながらも店内にある様々な物で暴れることができて、コスチュームまでカスタマイズできるとくれば、バカゲーとしての側面も見えてくるところだが、その実、本作品の難易度はそこまで優しくはない。

ストーリーの制限時間はそうでもないのだが、生存者の救出可能な時間などはかなりタイトに設定されており、全てをクリアしようとすると、非常にシステマティックに動き回らねばならない。そのため、かなり忙しいゲームになってしまう。しかしながら、レベルが上がって慣れてくれば、本作品はショッピングモール全てが文字通り遊び場になる。全てをなげうって気の赴くままにゾンビと戯れるのもいい。全ての生存者を助け出してもいい。好きなように遊んでいいのだ。

Dead Rising

本作品には、シリーズに受け継がれている雰囲気をぶち壊せるカスタマイズの豊富さや、実績システムと連動した解禁要素など、遊び込める部分が満載だ。もし、あなたがジャーナリズムを追い求めてみたいと思うなら、ウィラメッテにあるショッピングモールへ赴いてみるのはいかがだろうか?パラダイスという地獄があなたを待っているだろう。

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