――Alpha Go! 号令ひとつで部屋に投げ込まれるフラッシュバン、閃光に続くように雪崩れ込む隊員たち。電光石火の突入と一糸乱れぬ連携とが、瞬く間にテロリストたちを制圧する。
練りに練った作戦がビシっと決まる瞬間というのはどんなゲームでもうれしく、もっとも甘美なひとときだが、今回紹介する『Door Kickers』においてもそれは変わらない。
『Door Kickers』は特殊部隊を題材にした見下ろし視点のストラテジーだ。数人編成の特殊部隊を同時に指揮し、事件現場でのテロリスト鎮圧が主な任務となる。「数人を同時に指揮」と言うと難しそうに聞こえるかもしれないが、基本操作はマウスとスペースキーでほぼ完結するうえ、いつでも一時停止できるのでかなりとっつきやすい。それではゲームプレイを順に見ていこう。
まずは隊員配置から。画面上部の一覧から隊員を選択し、任意の侵入口にドラッグで隊員たちを配置すれば完了だ。必要に応じてCUSTOMISEから装備類の変更もできる。
隊員配置が終わったら、スペースキーを押してミッションを始めよう。ミッション開始時は隊員たちが配置について一時停止した状態なので移動や行動を命令していく。移動命令は隊員をクリックしてそのままドラッグすればOKだ。また、敵を視認したり、敵から銃撃を受けたりすれば自動で発砲するため、基本的には移動ルートさえ指定すればよい。一通り命令をし終えたら、スペースキーを押して一時停止を解除しよう。
あとは自分の作戦がうまく行くかどうか見守りさえすればよい……のだが、やはり作戦がうまくいかない場合もある。
事件現場では思わぬところで奇襲を受けたり、自身の想定を超える量の敵が現れたりしてもおかしくないからだ。そういうときは落ち着いてスペースキー。一時停止して作戦を練り直し、態勢を立て直そう。なお、一時停止や再命令はノーコストでできるので気兼ねなくやって構わない。
『Door Kickers』というタイトル通り、突入の際にはドアを片っ端から蹴り飛ばしたくなるところだが、特殊部隊ものゲームの例に漏れず、ドア越しのプランニングは慎重さが鍵を握る。スパイカムを使ってドア越しに敵の数や位置、死角を把握したら、フラッシュバンで死角と敵の視界を潰して一気に突入しよう。冒頭に記したような「Alpha Go!」といった行動開始用コードを使えば、簡単に多方面からの同時突入も可能となる。
無事、全テロリストの無力化や要人の救出といった目的を達成すれば任務完了。成績に応じて星が得られ、この星を使えば新たな装備をアンロックできる。
メインとなるゲームモードはシングルミッションとキャンペーンの2つ。
シングルミッションはひとつひとつのミッションが独立している。好きなものから自由にチャレンジできるので、装備類を充実させてから難所に挑むのも一つの手だろう。数ミッションを連続でこなすキャンペーンではミッション中の隊員の負傷が次のミッションに持ち越される。結果、こちらの被害を最小限にする必要性が生まれ、より慎重なプランニングが求められる。腕に自信がある人向けだ。
最後に。本作でいちばんうれしいのはリプレイ機能があることだ。ミッションが終わったら即座にリプレイを再生・保存することができ、自身の作戦がビシっと決まるところを余すことなく観ることができる。ゲームは自分のことを「スゴい!」と思えることが重要なのだ。
とっつきやすいマウス操作といつでも使える一時停止&再命令によって、プレイのしやすさと特殊部隊ものの醍醐味をうまくミックスさせた『Door Kickers』。ミッションが終わったらリプレイを眺めて自身のプランニングの美しさに酔いしれるのもいいだろう。
あなたの綿密な作戦の前では、テロリストたちはあまりに無力なのだ。