筆者:GREENER
Steam プロフィール
まさか三回も引っ張るとは誰も予想しなかったであろうTabletop Simulator。筆者のなかでだけ大好評なので、需要なんて後からついて来いの精神で今回もお送りしたい。
それでは前回やりかけた作業の続きに取り掛かろう!
■送信
前編で用意した素材を適当なオンラインストレージにアップロードしよう。作例ではさしあたって2GBまで無料のDropboxを使用するが、ファイルへの直リンクが生成できれば場所はどこでも構わない。
画像素材に限るならアカウント登録不要のImgurもお手軽だ。
まずはアカウント登録。名前、メールアドレス、パスワードを埋め、規約に同意のチェックを入れて無料登録を済ませよう。Googleアカウントがあればそちらでログインしても構わない。別窓でアクセスを許可するか確認を求められ、自動でアカウントが作られる。
無事ログインできたらまず1のボタンでフォルダを作ろう。dropboxはファイルを移動させるとそのファイルへのリンクが無効になるので、ものが増えてきたら後で整理しようなんて考えていると二度手間になる。今回なら最低でもTTSフォルダの下にCCNフォルダを作ってそこに入れておきたい。
2のファイルのアップロードボタンないしD&Dでファイルを送信できたら共有ボタンを押し、知っていれば誰でも閲覧できるURLを吐き出させる。
ただしこのURLは……
このようにダウンロードメニューを開くためだけのものなのだ。なので[www.dropbox.com]となっている部分を[dl.dropboxusercontent.com]と書き換え、末尾の[?dl=0]を削ってやる。
そうするとこのように直にファイルを閲覧するURLになる。この書き換え作業は回数をこなすとなるとかなり面倒だが、代行してくれるツールを探すなりデフォルトで直リンクを取得できるオンラインストレージを選ぶなり各自で対処して欲しい。
カードの裏表、二枚の画像をアップロードし終わったらいよいよTTSの起動だ!
■取込
部屋を作ったらまず[Host]から[Chest]を選び、[Custom]を選んだらCustom Objectsから[Deck]を選ぶ。[Face]には表面の切手シート状画像のURLをペーストする。[Back]には背面の単体画像のURLを。
背面も一枚一枚絵柄が違うカードの場合は[Unique Back]にチェックを入れて、表面と同じ様に切手シート状の背面画像を登録する。
それから[Number]のスライダーを必要な枚数分に合わせる。多く設定しても切手シートの余白部分まで使ってカードが作られるだけのことだが、足りないのは不味い。
[Sideways]にチェックを入れるとAltキーでカードの画像をズームした時に90度横倒しで表示される。手札には縦向きで収納したいけど、説明文は横にして読む作りのカードの時に使う。手札にも横向きで入れたいのなら切手シート画像を作る段階で横長の画像で登録すればいい。
最後に[IMPORT]を押せば作業終了だ。手順を間違えてなければTTSがURLの画像から自動でテクスチャを生成し、カード表面に貼り付けてくれる。
そして前々回のこの画像に至るわけだ
作業はこれだけだ。.jpgか.pngさえ編集できればいいので、特殊形式を扱うためのプラグインの導入などは必要ない。紹介記事でも書いたが、やることさえ解っていれば素材のスクショ撮影からデッキ完成までの所要時間は20分に満たない。こんなお手軽でいいのだろうかと疑ってしまうカンタン作業だ。
■装飾
なにはともあれ、これでCCNの自分専用デッキがTTSに読み込めた。後はTTSとCCNの両方を持っていて同じ作業をしてくれる対戦相手を見つけるだけである。残念ながら紙幅が足りないのでその方法については本稿では解説しない。余白がないんじゃ仕方ないよねって、フェルマーも言っていた。(*1)
*1 言ってない。
その代わりと言ってはなんだが、もうちょっとだけ凝って見る。CCNのスクリーンショットを加工して、プレイマットを作製する。
今度は[Deck]ではなく[Board]を選び、やはりURLを貼っつける。
それからライフカウンター代わりに12面ダイス、ランダム効果用に10面ダイスなどもあしらえば……
ほい完成! CCNのオンライン対戦の出来上がりである。ちなみに作例で作った筆者の速攻デッキはBombカードがNarf(*2)される前、Cannot be revived.の一文がなかった頃のものである。現在ではあまり強くはないのでそこのレシピは参考にしないこと。
*2 安全に配慮された玩具の銃になぞらえて、尖った部分を丸めること ≒弱体化
■余録
ダイスやトークン、自立するよう台をつけただけの紙フィギアも作業難度は変わらない。ダイスはDice Templatesフォルダに4面、6面、8面、10面、12面、20面ダイスの各テンプレート画像があるので、それらに合わせて画像を加工するだけ。
フィギアやトークンは余白を透過させた.png画像を読み込ませるだけだ。トークンにだけ厚みとアウトライン読み取り精度の設定があるくらいのものでとくに難しくもない。
カスタムモデルだけはモデルデータを用意しなければならない分ハードルは上がるが、それにしたって用途は所詮ただのコマである。テクスチャなんか貼らなくても真っ白いコマとして呼び出せるし、ゲーム内でColor Tintで着色すればことは足りる。可動部ごとに別パーツ化だのボーン設定だのすることを思えば難易度は低いほうと言える。
やる気次第でこういった特殊ピースありきのゲームだって再現は可能なのだ。もちろん磁石をつかったギミック系や崩したら負けのバランス系など、TTSが苦手とする非電源ゲームだってある。また交渉やブラフなど会話が必要なゲームはテキストチャットだけで遊ぶのは少々厳しい。
だがどれだけ凝ったゲームを作っても事前配布の要なしに席についたらすぐ遊べて、いくらでもゲームを切り換えられるこのフットワークの軽さは素晴らしい。2015年11月現在もいまだ更新を重ね機能が増え続けているTTS。どこまで進化するのか、興味は尽きない。