シンクロナイズド・ジャンピング!『Kalimba』

ゲームタイトルKalimba
    開発元Press Play
パブリッシャーMicrosoft Game Studios
     定価:980円

筆者:GREENER
Steam プロフィール

今回ご紹介するのはこちら。忙しくてフレンドと予定が合わなくても安心のひとりCOOPゲー。パズルジャンプアクション「KALIMBA」だ。

Kalimba

さて読者諸氏はバイナリィランドというゲームをご存知だろうか。一度のキー操作で雄雌二匹のペンギンが鏡合わせのように同時に動く、往年の見下ろし画面のアクションパズルである。KALIMBAはその横スクロール版とも言えるゲームで、画面には色違いの自キャラが常に二体おり、ジャンプボタンを押せば同時にジャンプするしスティックを倒せば揃って歩き出す。周波数がおなじ二台のラジコンをひとつのプロポで操作するところを想像して貰うとわかりやすい。大体そんな感覚である。

ステージにはどちらで触れてもアウトになる黒い靄と、ところどころにカラフルな靄が満ちている。彼らは自分とおなじ色の靄になら全身どっぷり浸っても平気なので、ジャンプ以外の唯一のアクティブスキルであり、いつでもどこでも何度でも瞬時に発動可能なアクション、「スワップ」を使いお互いの位置を入れ替え進んでいく。

もうひとつの特殊動作として「スタック」がある。片方を地形に引っ掛けるなどして二体を縦に積み重ねると吸着して固定され、またどちらかを引っ掛けて解除しない限り肩車で移動できる。この状態なら下の奴を踏み台にして上の奴だけ二段ジャンプすることも可能なのだ。

基本的なルールはたったこれだけである。ジャンプボタンにスワップボタンと、あとはメニューさえ開ければいいのでコントローラー的にはファミコンのそれですら事足りてしまう。なのにこれが驚くほど面白い。筆者は普段FPSの合間にパズルをやりつつ、口直しにパッドで遊べるレースゲーをつまむ、と云う風にジャンルの違うゲームをいくつか並行して崩しているのだが、これは始めた途端に他のゲームの存在をしばし忘れた。

面白いルールは思いついたがそれを発揮できる遊び場を用意できなかった、というパターンはインディーではままある。KALIMBAは入り口こそシンプルなのにステージが抜群によく出来ているのだ。

さらに順調にステージを重ねていくと新たな仕掛けが現れる。それがこれ。

Kalimba

触れたものの重力を反転するオーブだ。これを取ると緑は上に向かって落ちていく。もちろん紫は依然として下へ落ちる。すると足場なんかなくたって緑が下なら弾みはするが空中浮遊ができる。しかし位置を入れ替えるとそれぞれ画面の上下に向かって落下して行ってしまう。

つまりこの状態ではいままでスワップボタンだと思っていたものが、実質的には二体間の引力/斥力切り換えボタンへと変貌してしまうのだ。

こうした「片方だけ性能を変化させるオーブ」は他にも順次登場していくが、そのたびにスワップすることの意味合いもまったく変わる。今までこうと信じて来たもののまるで別の側面を見せられる、脳をくすぐられるような感覚がたまらない。もちろんこれまで同様にカラー靄を突破するための入れ替え自体はきちんと要求されつつも、新たに産まれた操作感とも折り合いをつけて付き合わなければならない。

その衝撃たるや、俺が気になっている女の子との友好度を調べて報告することだけが生き甲斐だと思っていた男友達が突如悪魔の力に目覚め、肌は浅黒くなるわヤギみたいな角やら羽やら生えてくるわで、オマケになにそのドス黒いオーラねえそれ本当に無害なの!?……けど相変わらず誕生日とかは教えてくれるんだ、うん、プレゼントは可愛い物がいいのねわかったサンキュー! みたいな感じである。

Kalimba

一応、悪のシャーマンにバラバラに壊されたトーテムポールを再建するため、各地を回って破片を拾い集めようといったストーリーが気の抜けた面のピンクの熊から語られはする。とはいえ英語が読めなくても大した影響はない。とにかくなるべく死なずに沢山のピースを集めれば、ステージクリア時に一段ずつ積まれていくトーテムが豪華になるだけのことだ。

エンディングに至るまでそのすべてがチュートリアルとも言えるほど、このゲームの難易度曲線は緩やかなカーブを描いて上昇していく。腕に覚えがあってもなくても大丈夫なので、是非このスワップボタンの様変わりっぷりを体験して欲しい。

ちなみに二人で遊べるCOOPモードではひとり頭二体で計四体が画面に入り乱れるという実に頭のわるい仕様だが、残念ながらローカルのみでオンライン機能は搭載されていない。なんとも惜しい限りだ。

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