This War of Mine -街の底から見上げる戦争-

ゲームタイトルThis War of Mine
    開発元11 bit studios
パブリッシャー11 bit studios
     定価:1,980円

筆者:SHINJI-coo-K
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※まず最初に※
この作品には非公式ながら日本語化MODが存在し、この記事に載っているスクリーンショットはそれを使用している点に注意して頂きたい。

This War of Mine

この作品のテーマは重い。出てくる人物達は兵士ではない。元兵士という肩書きを持った者も居るものの、基本的には一般人である。

何しろこの作品のコピーがこうだ。

“IN WAR, NOT EVERYONE IS A SOLDIER”(誰しもが戦争において兵士ではない)

私達が日頃プレイする戦争ゲームでは“誰しもが兵士”だった訳だが、作品が突いた意表は果たして正しかったのか、これから語らせて頂こう。

This War of Mine

戦時下に追い込まれた者達が生き、或いは死に、殺し、盗み、自死をも選び取ってしまうかも知れない状況に、あなたは登場人物の一人としてではなく、彼らの運命を導く者としてゲームに介入することになる。

もし、より没入感のあるプレイを求めるのなら、アップデートで自家製アバターでもプレイ出来るマイストーリー(日本語化環境だと“私の物語を綴る”)モードが追加されたので、そちらを試してみるのも一興だろう。また、このモードでしか選べない職業も追加されている。この職業というのは他の人物達にも設定されており“足が速い”だとか“より多くのアイテムを持てる”などの特性がある。

This War of Mine

基本的なメカニクスはマネジメントゲームとも呼べる、人員を含んだ物資などリソース管理するゲームではある。ただこれだけならこの作品は凡庸な作品になっていただろう。だが、実際の所、この作品がプレイヤーに対して“感情の惹起装置”として機能しているのは何故なのか。

This War of Mine

ここでストーリーの話をしよう。

舞台の背景は1992年に起こったサラエヴォ包囲や現在の中東情勢が参考にされている。ゲーム内では実際にあった『狙撃兵通り(スナイパーストリート)』も登場し、狙撃兵が居るから昼間の行動は非常に危険である、という事実が根底にある。それ故に出歩けるのは夜間に限られているが、夜でも危険な場所は危険だ。

This War of Mine

インゲームの人物達はバックグラウンドストーリーを持っており、人物としての立脚が存在するものの、この作品の物語はプレイヤー自身が己の内部でゲームを通じて紡ぐような構成になっている。その時々、選択によって登場人物の心象は更新されていくが、その選択は紛れもなく私やあなたの選択であり、結果起こる悲喜劇はゲーム内デメリットよりも、プレイヤーの心理的影響としての効果が大きい。

This War of Mine

プレイの最中、苦痛に思う瞬間が少なからずあるだろう。この作品は娯楽性とも呼べる、快楽を与えてくれるような作品ではなく、語弊を恐れずこの表現を用いるが“面白くない”と感じるプレイフィールが存在している。だからこそ、戦争を生き延びた時の安堵感は“CONGRATULATION!”はたまた“Thank you for playing!”なんて文句よりも嬉しく、癒される。自身に対しストレスを掛けて、そこからの解放で喜びを得るスタイルの作品ではあるが、扱っている題材が題材だけに、私はこの作品で得られる哀切や喜びをしばらくの間忘れられそうにないのだ。そして忘れたくもなく、それ故steamトレーディングカードを全てレベル5までの分を集め、キラカードも全て集め、その上全実績解除まで果たしてしまった。

This War of Mine

実際の取材などを通じ、戦時下における民衆がどうやって暮らしていくのかをゲームに落とし込んだ“11 bit studios”の手腕は見事な物だった。たとえ兵士でなくても、日々を暮らすことそのものが戦いになるという“街の底から見上げる戦争”をあぶり出している。

そして『The Witcher』で知られる“CD Projekt”から独立しタワーディフェンス或いはRTSジャンルの『Anomaly』シリーズを出している開発会社からこのような作品が出てきたという事実は、私達にとってゲームというメディアの可能性を強く信じさせてくれるのだ。

This War of Mine

このゲームの終わりは戦争の終わりであり、平和な生活の始まりだ。

戦争が終わりこのゲームを終えて、我々もまた日常を送る。

そこに込められている意義を意味づけるのが、暮らしていくということの一面なのだろう。

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