実際どうなの「Steam Link」と「Steam コントローラー」

はじめに

「Steam Link」も「Steam コントローラー」も気になるけど手をだしづらい。そんな方々に今回の使用レビューをお送りしたいと思う。

本記事注:執筆者である私rate-datは本記事の執筆にあたり、『Degica』と『Valve』より記事中の製品の供与を受けていない事を宣言します。また、原稿料をいただいておりますが、本記事内では、それにより扱いの優遇や虚偽の記載は行っておりません。

それぞれの商品について

Steam コントローラー
過剰ともいえるカスタマイズ性能とSteamに特化したPC用コントローラー。
ジャイロによる傾き検知や二つのタッチパネル、背面のパドルスイッチ等、現代における技術の粋を生かした代物。

Steam Link
「リビングとPCを繋ぐ」をコンセプトとして開発。PCで出力された画面がTVにストリーミングされる。Steamに特化されており、Steamを使うという意味ではどのようなストリーミング機器よりも圧倒的に高性能。
有線100Mbps、無線接続にも対応。超小型である事もウリである。

購入前にしなければいけない確認事項

「Steam Controller」(以下コントローラー)の場合と「Steam Link」(以下Link)では、それぞれ購入前の確認事項が異なる。

コントローラー

PCだけで使うのならば、後述の使用感の項目まで飛ぶといいだろう。Linkと合わせて使う場合はこのまま読み進めてほしい。

「Link」は無線受信機としての機能を有しているため、家庭内でWi-fi環境を構築済であればそのまま使用できる。ただ、後述はするが回線次第では無線環境下の使用をお勧めしない。更にLinkの使用感は、母艦となるSteamが起動しているパソコンのスペックとネットワーク回線に強く左右される。
接続図はこのような感じである。

Steam LinkとSteam コントローラー 同梱されているマニュアルをスキャンしたもの(クリックで拡大)

繋ぐ先は『TV』となっているが、PCモニターでも構わない。ただ、どちらにせよHDMIケーブルでの接続が必須となるため注意しよう。また、TVの出力解像度も事前に調べておくと良い。(後述)

Steam LinkとSteam コントローラー

「Link」の大きさは非常に小さく、「iPhone5s」よりやや大きいくらいだ。設置場所にはそこまで悩むことはないだろう。

一番の問題はPCスペックとネットワーク回線になる。有線接続の場合は悩む必要はないが、無線で接続する場合は、安定して80から100Mbps近い速度を出せる環境でないと難しいだろう。(Link自体は100Mbpsまでしか対応していない。)
そして、ゲームのプレイにおいてはPCでの動作がそのまま転送されるため、母艦となるPCでそのゲームが問題なくプレイ出来るかどうかも重要となる。(無線で運用する場合は、Steamの設定で『ゲーム中のダウンロードの許可』のチェックを外すことをおすすめする)無線環境下での場合は回線の安定に影響を及ぼすもの(電子レンジ等)には注意したい。

Steam LinkとSteam コントローラー

ちなみにTV位置の関係上、有線接続が難しい筆者は ”PC(有線)ルーター(無線)中継器(有線)Link” という構成になったが、問題ない結果であった。

開封の儀、設定編。

Steam LinkとSteam コントローラー
Steam LinkとSteam コントローラー

「Steam Controller」と「Steam Link」。エアーキャップで梱包された状態で届くが、シールの粘着力が非常に強いので、カッターかハサミを準備しておこう。

Steam LinkとSteam コントローラー
Steam LinkとSteam コントローラー

コントローラーには電池が同梱されているので、無線で運用する場合は入れておこう(非同梱のMicroUSBケーブルがあれば、有線での運用も出来る。)

Steam LinkとSteam コントローラー

それぞれ本体の下に必要なケーブル類などが入っている。

Steam LinkとSteam コントローラー

コントローラーはXBOX ONEコントローラーに比べるとやや大きいが、そこまで変わらない。グリップ感や持った感じはXBOXコントローラーと遜色は無い。

到着した後にやる事

コントローラーとLinkはどちらも単体で使用可能であるが、今回の紹介では一緒に購入した前提で話を進めさせていただく事をご了承いただきたい。

Steam LinkとSteam コントローラー

まず最初ははコントローラーのファームウェアのアップデート作業があるので、PCにコントローラーを接続。やや時間はかかるが、Steamクライアント側から全て案内されるため戸惑うこともないだろう(Linkからはアップデートできないためこの作業は必須となる)

Steam LinkとSteam コントローラー

無事コントローラのアップデートが終われば、次はLinkでの初回起動となる。Linkに電源を入れると機器の接続を促されるので背面USB部分に接続しよう。(この画面で、コントローラーのSteamロゴ(XBOXコントローラーであればXBOXロゴ)を押せばメイン画面に移行するだが、画面を見ただけではややわかりにくい。)

Steam LinkとSteam コントローラー
Steam LinkとSteam コントローラー

一度起動してしまえば全て日本語による操作誘導が行われ、困る部分もないと思われる。ただ初回起動時はPCとLinkを何度か行き来することになるため、この際にLinkのオプション群を確認、調整しておくことを強くお勧めする。特に、画面表示設定やサウンド設定は、ゲーム体験を大きく左右するだろう。

Steam LinkとSteam コントローラー
Steam LinkとSteam コントローラー

*Steamクライアントをベータで使用している方は、Link側のシステムファームもベータに変更する事を推奨する。アップデートは非常に長い・・・。

起動後、使用感など

PCのディスプレイとTVの仕様
PC 三菱 MDT241WG 24.1型 1920*1200
TV 日立 W50P-H10000 50型 1920*1080(1080p)
PCで起動したゲームを画面一杯に綺麗に出力させるため、出力解像度は出来るだけTV側に合わせるようにしたい。

Steam LinkとSteam コントローラー

届いて一番最初に起動した「Portal2」は、PCでプレイするのと遜色なくプレイ可能だった。数年前のタイトルとは言え大画面のTVで見ても非常に美麗だ。

Steam LinkとSteam コントローラー

UnrealEngine製のゲームとは非常に相性がよく、画角もフルで描写できるタイトルが多かった。特に、格闘ゲ-ムのような遅延が命取りになるタイトルでも、遅延が気にならなかったというのは特筆すべき部分だろう。

Steam LinkとSteam コントローラー

週刊Steamでも紹介した「Hitman (2016)」。思わずため息が出てしまうほど綺麗なビジュアルは、大画面でこそ一見の価値がある。

Steam LinkとSteam コントローラー

ただし、Linkの一番の欠点とも言えるのが、起動時にランチャーを挟むゲームとは相性が悪い。写真の「ダライアスバースト」のように一部対応しているタイトルもあるが、対応していないタイトルだとWindowsのデスクトップに飛ばされて操作困難に陥る可能性もあるので要注意。(Uplay等の主要タイトル群では既に対応されているので過度の心配は不要である。)

Steam LinkとSteam コントローラー

コントローラーにはゲームごとに公式設定やユーザーのお勧め設定があり、設定自体はそこまで難しくはないが、中央二つのデュアルタッチパッドと背面のパドルシフトも含め、控えめに言っても操作には慣れが必要だ。慣れるまではボタンを押したつもりでタッチパッドに触れてしまったり、パドルを押し込んでしまったりと慌てふためくことになる。

Steam LinkとSteam コントローラー
Steam LinkとSteam コントローラー

ただしその慣れを克服した後では、「Age of Empire」に代表されるようなマウスさばきが必要なゲームであってもある程度スムーズにプレイ可能になる点は見過ごせない。更に言えば「Banished」や「Cities:Skyline」においては、コンフィグでUIのサイズを大きくすればTVでのプレイも問題ないほどの高いポテンシャルを発揮出来た。タッチパネルでどれくらい引っ張ればどれ位マウスが動くか、を意識するのが慣れるコツだ。

Steam LinkとSteam コントローラー

コントローラーのポテンシャルは非常に高く、ユーザー側で多様な項目をカスタマイズできる。パネル感度を調整したり、ボタンの割り当てにキーボードの機能を割り当てることも可能なため、多種多様なゲームで扱えるのはそう言ったカラクリがある。(この画面は可読性のためにPCで撮影している。)

とはいえひいき目に見てもプレイするタイトルにはかなり左右される。筆者は50本近くゲームをプレイしたが、格闘ゲームとは非常に相性が悪く、素直に普段使っているコントローラーをLinkに接続した方が良いと言いきれるレベルであった。だが、FPSやTPSのようなシューター作品では、XBOXコントローラーよりも高い親和性を誇る。また瞬時の判断を求められない「Civシリーズ」や「Banished」のようなタイトルであれば、マウスとキーボードでプレイするのとさほど変わらないプレイ体験が得られた。

そして、使用用途の多様さという意味ではSteamLinkの使い道はSteamだけに留まらない。
Bigpicture側からブラウザを使用可能なため国内の主要なビデオオンデマンドも使える上、Twitterなどのネットブラウジングも問題なく使用できる。お陰でコタツに入ったら出たくなくなってしまったのは秘密とさせていただきたい。
(ややクセはあるが、PCのデスクトップに戻って操作も可能なので、接続さえ切れなければ本当に何でもできてしまう。)

Steam LinkとSteam コントローラー
Steam LinkとSteam コントローラー

ちなみに、もちろんSteamミュージックや購入した映像コンテンツも閲覧することができる。

コントローラーとLink、どちらもオススメである事は確かだ。だからこそ購入前に一考して欲しい。
今回のレビューにおいて、休暇をほぼ全て実家で過ごすほど素晴らしい体験になったLinkはとても良い買い物であった。普段PCのディスプレイで見ているゲームを大画面でプレイする感覚は別物である。大型タイトルに限らず、旧作品であってもTV側の画面補完能力の高さには舌を巻いた程だ。

コントローラーはポテンシャルの高さと万能性こそ非常に高いが、扱いは非常に難しいと言える代物で、万人に勧められるかと言われると「難しい」と言わざるをえない。
カスタマイズ性と万能さは、過去全てのコントローラーをチリにしたと言い切って良い。それほど挑戦的で素晴らしいコントローラーであるがゆえ、慣れれば慣れるほど得手不得手もハッキリと出てしまう。

本レビューが、購入検討の参考になってくれれば幸いだ。

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