少年は荒野をめざす、思い起こす思い出は美化なのか否か。『聖剣伝説2 Secret of Mana』

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定価:
5,184円
聖剣伝説2 Secret of Mana

スーパーファミコン時代からPlayStationの『ファイナルファンタジー9』に至るまでを、スクウェア(現スクウェア・エニックス)黄金時代と呼ぶ人がいる。当時のスクウェアの作品は、前々回紹介した『ロマンシング・サガ2』を含め、ほぼ全ての販売作品が大ヒットといえるほど流通している。現在の30代からその上の世代には、おなじみのタイトルばかりだろう。今回紹介する『聖剣伝説2』も、数あるスクウェアの名作の一つである。(写真はLegend Of Mana)

“Secret of Mana”は、聖剣伝説初代がファイナルファンタジー外伝として発売した経緯があるが、海外では販売していなかったため、シリーズタイトルは全て“ほにゃらら Of Mana”となっている。(例外としてシリーズ継承のシステムを使ったSecret Evermoreという日本未発売タイトルがあるが、説明は割愛させていただく)

スーパーファミコン(SFC)での原本の発売は1993年で、SFCでも初期の作品である。豊富な種類の武器に、それを活かしたヒットアンドアウェイをベースとした戦闘システム。SFCの目玉であった画面の拡大縮小を活かした画面効果、シリーズに受け継がれていくファンタジー世界をモチーフとした美麗なビジュアル、菊田裕樹氏の名前を一躍有名にしたサウンド容量を限界まで使ったBGMは今でも語り草で、1万文字を費やしても語り足りない程。それほど、当時のスクウェア作品は聖剣伝説シリーズを含め素晴らしい作品たちに恵まれていた。これ以上昔話を続けるのも野暮なので紹介へ移ろう。

2Dから3Dのフルリメイクへ
聖剣伝説2 Secret of Mana

過去にはマナの力を元に発展した強大な文明と神々による大戦争があったともいわれている世界は、聖剣の勇者により平和を取り戻したが、文明を消滅させた力は強大であった。崩壊より遙か長い時を経た今、マナの力を秘めた聖剣は村の守り神となり、村の近くにある滝のそばに奉られていた。主人公ランディがその聖剣を抜いてしまった頃から、世界中に突如モンスターが出現するようになり、ランディはマナの力の安定と聖剣の力を再び得るため世界を巡ることになる。

聖剣伝説2 Secret of Mana 謎の声に導かれ少年は剣を手に取る。
聖剣伝説2 Secret of Mana

道中、お転婆娘のプリムと妖精の子どもポポイを加え、かつて文明の力の象徴であったマナの要塞を復活せんとする帝国との戦いへと身を投じていく。聖剣の力の復活と共に世界の命運をも背負うことになる。正に王道と言えるファンタジーストーリーだ。

聖剣伝説2 Secret of Mana

20年近く前の作品ではあるが、リメイクは非常に豪華だ。2Dから3Dになっただけでなく、ストーリーに影響のないサブキャラクターまで日本語と英語音声が充てられている。また、当時のBGMは全て豪華アーティスト陣にリミックスされており、オプションでオリジナル版のBGMと任意に切り替えてプレイすることも可能。

聖剣伝説2 Secret of Mana

また、聖剣伝説2以降、シリーズにおいて使用されたリングコマンドのメニューも特徴的で、文字通り円上に並んだアイコンから任意のメニューを選ぶ。PC版リメイクではあまり恩恵を感じないが、当時のコンシューマータイトルでは高速でアイテムなどを使用できる革新的なUIであった。

聖剣伝説2 Secret of Mana

本作品ではヒットアンドアウェイをベースとしたアクションと前述に示したように、通常攻撃はチャージという概念で管理されている。攻撃後や、ダッシュを使用すると100%から減衰していき、100%に満たない状態で攻撃を行うと当たらなかったり、低ダメージになったりしてしまう。ただ武器を振ってゴリ押しが出来ないデザインとなっていて、武器の有効射程を活かしながら立ち回る必要がある。

聖剣伝説2 Secret of Mana 豊富な武器の種類も8種類用途ごとに分かれており、熟練度も別に設けられている。熟練度が上がる毎に必殺技レベルが上昇し、戦闘にて優位となる。敵に合わせて使い分けよう。
聖剣伝説2 Secret of Mana ステージギミックの一部は武器を利用する。行けなかった場所でも・・・?
聖剣伝説2 Secret of Mana

プリムとポポイは、武器を使うだけでなく、魔法を詠唱できる。マナの力を得る道中で契約を結んだ精霊の力を行使することで、プリムは支援魔法に、ポポイは攻撃魔法に特化していく。魔法にも精霊毎に個別の熟練度があるため、使えば使うほど威力も見た目も派手になっていく。

当時の思い出をただ美化するのは御免だ
聖剣伝説2 Secret of Mana

当時はよかったという声もあるだろう。しかし、過去の思い出に今の経験が勝ることはない。それよりもリメイクされて何が良かったのかを伝えるのが当時のプレイヤーの役目であろう。キャラクターの感情表現が、音声の追加と3D化においてとても豊かになった点は是非とも声を大にして言いたい。宿屋での宿泊の際にストーリーの進捗に合わせた会話シーンが増えていたり、道中の印象的なイベントがドラマティックになっていたりすることなどは、リメイクにおける一番の成功点と言っていい。
だが、不満に感じる点もなくはない。リングコマンドはオリジナルよりも使いづらく、リメイクとはいえ現代のユーザーのためのチュートリアルすら用意しないのは、流石になおざりすぎるのではないだろうか?

聖剣伝説2 Secret of Mana オプションに操作一覧こそあるが、独特なシステムの解説は一切無い。

不満点をあげつらうつもりはないが、シリーズ未経験者や初めて聖剣伝説2をプレイするユーザーに不親切すぎるという点については、値段相応のタイトルとして発売するのであればもっと丁寧にやるべきだろうと苦言を呈しておきたい。

最後に不満を書き散らしてしまったが、本作品が名作といわれる点を感じることは非常に容易だ。戦闘システムや、目頭が熱くなる王道のストーリー展開。本作品をプレイして感じる思いは当時も今も変わらない。

ただ、当時でも不満に思う部分はなかったわけではなく、それを忘れて「昔はよかった」と言い続けるのは愚の骨頂だ。だからこそ、最後は本作品のリメイク版に対して、20年前の思い出と共に私は思うのだ。

「おかえり、ポポイ。」と。

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