先帝の無念はルドン高原に眠る。フリーシナリオRPGの傑作『Romancing Saga 2』

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定価:
3,200円
Romancing Saga 2

1990年代、当時の日本ではコンシューマーゲーム機が一番の市場であった。過去記事の『ルナティックドーン』でも触れた"フリーシナリオ"という概念をコンシューマーで実現させようとしたチャレンジャーといえば『ロマンシング サ・ガ』シリーズを挙げるべきだろう。
メインとなる目的はあれど、そこに至るまでの道程も行動もプレイヤーの自由だ。だが、オープンワールドに近いジャンルに共通しているのが、それを実現するには如何に破綻しないゲームバランスとシナリオを組み上げるかという点だ。その大きな壁が高くそびえ立ち、開発は決して単純ではない。そんな開発にも関わらず大きな破綻もなく、非常に高い完成度を誇り、今でも語り継がれるシリーズ中屈指の傑作である『ロマンシング サ・ガ2』を紹介する。

流し斬りが完全にはいったのに…
Romancing Saga 2

"七英雄"がモンスターを駆逐し、彼らは姿を消した。全世界が混乱に陥るとき、彼らは再び姿を現わし平和をもたらすと人々に伝承として語られる中、かつては大陸全土に覇を唱えた"帝国アバロン"は既に北西の末端の小国に収まっていた。そして、再び世界に混乱が差し迫る中で七英雄は再び姿を表した。アバロンの現皇帝レオンは末の息子ジェラールと共に居城近くの領地平定のためダンジョン征伐へと向かうところから話は大きく動き出す。

Romancing Saga 2

ダンジョンから帰ってきたレオンを待っていたのはジェラールの兄ヴィクトールが七英雄であるクジンシーにより殺害された無残な姿であった。かつての英雄であり、不死身の化け物である彼らに対抗するため、記憶と経験を次世代に受け継ぐ伝承法を会得したレオンはクジンシーへと戦いを挑む…のが本作品の導入部分だ。

クジンシー討伐まではどのプレイヤーも通るチュートリアルを兼ねた固定ルートであるが、その先のストーリーの進め方は千差万別で同じルートを辿ることは少ない。七英雄の討伐という主目的だけでなく、帝国の拡大のため各地の平定や武具の収集といった副次的な目的もあり、プレイスタイルやメンバーなどで大きく進め方が変わってくる。

また、同シリーズの独特な要素として"LP(ライフポイント)"と、仲間として同行させられるキャラクターの多さ、そして、独特な戦闘システムを挙げるべきだろう。本作品におけるキャラクターは名前こそあれど基本は皇帝以外は一般キャラクター扱いとなっている。だが、同じ職業であっても、男女で時代により名前も違えばステータスも千差万別となっている。
そのステータスの中でも、先述のLPは0になれば戦闘不能を通り越してその年代から排除される。逆を言えば、0にならない限りは戦闘不能状態から復帰させることができる。ただし、主人公となる皇帝のLPが0になった場合は即座に現在のメンバーから次の代に継承されることになる。上記のとおりキャラクターたちの固有ステータスまで変わる違いは地味ながら非常に大きく、本作品における特殊な戦闘システムに大きく影響を与えることになる。

本作品では戦闘中に武器を振ることや技を使うことで新たな技を閃くことがある。閃いた技を次世代へと継承させれば、その技は次世代へと受け継がれる。技の中には武具の固有技や、敵から受ける特定の技の見切りなどもあり、その数は一度のプレイで全てを習得するのは非常に困難と言ってもいいほどだ。

Romancing Saga 2 継承が行われれば前皇帝の全てのステータスが次世代の皇帝へと受け継がれる。最強の兵であり将の誕生だ。
Romancing Saga 2
Romancing Saga 2

時代を跨いでいく演出として技道場と工房がある。先代の閃いた技をキャラクターに引き継がせる技道場は文字通りそのままだが、工房では現在存在しない先進武器や防具を生産可能になる。つまり、自世代ではプロトタイプのみのアイテムが、年代が進むことで店先に並び、仲間となるキャラクターの標準装備となったりと時代の流れが明示的に表現されている。武具の開発には大きな費用が必要となるが、その効果は絶大なので、できるだけケチらないようにしたい。

Romancing Saga 2 自国領内であれば商店からタダで商品を巻き上げられる。これぞ皇帝特権だ。
歴史の影にドラマがある
Romancing Saga 2

豊富なキャラクター数に加え、シナリオの自由度は全てにおいてドラマを生み出す。帝国アバロンの復興を描いた本作品は全ての皇帝の動きにリンクしており、帝国記に細かい内容まで記録されていく。更に本作品は全体的に高めの難易度で調整されており、キャラクターを適当に鍛えるだけでは通用はしない。それも相まってプレイヤーにはどんなキャラクターであっても強く印象に残る。

Romancing Saga 2 彼はその後、とある高原で消息を絶ったという。
Romancing Saga 2
Romancing Saga 2

また、各地への移動はワールドマップか、村やダンジョンを経由するかの二択となる。自領となった土地であれば自由にワールドマップから転移できるが、自領でない土地であれば船などを乗り継ぐことになる。町や村で情報を聞くことで新しくマップで移動できる場所も増えるため、知らない場所へ訪れたら色々な人へ話しかけると良い。

傑作とはいかに
Romancing Saga 2

傑作や名作という言葉は文章や口に出すのは非常に簡単だ。だが、丁寧な説明や紹介があって初めて当該の単語は修飾される。本作品はリメイクとはいえ、オリジナルのSFC版が発売されたのは20年も近く前である。グラフィックも綺麗になった。当時発売されていた携帯電話アプリでのコンテンツの追加も行われた。
だが、このリメイクが秀逸なのはゲームシステムやセリフ、アイテム効果などが、ほぼ変更されていないという点にある。当時のプレイヤーには改めて新鮮に、未プレイヤーには歯ごたえのある高難易度のRPGを楽しめるだろう。20年の時を経て改めてプレイして感じたのは、独特なサ・ガ節といえる台詞だけではない。歴代の皇帝とともに世界を駆けずり回った当時の思い出すらも思い起こされるのだ。

ただ、一つ大きく残念であるのは先行して発売されたスマートフォン版からの移植である点だ。筆者はスマートフォン版を既に5周以上している。SFC版はもう何度エンディングを見たか分からないほどだ。だが、PCゲームという観点で改めて評価をするならば、もう少しPCに最適化するべきではあっただろうと指摘せざるを得ない。移植工程や作業量を考えれば、Unityエンジンであるスマートフォン版を移植するのは間違った答えではない。実際、スマートフォン版では使えなかったコントローラーを使える点は大きなメリットだ。しかし、戦闘中のUIやアイテム画面の表示量などは丁寧に調整すべきでは?と苦言を呈しておきたい。

だが、本作品の熱狂的なプレイヤーでもある筆者から、このリメイクは最終的にアリかナシかという返答は以下の動画をもって今回は締めることにしよう。

最後に、とても重要なことなので補足として追記しておく。今回は本作品の独特なシステムを一部紹介したのみで、すべての要素は非常に多すぎてとてもではないが紹介しきれない。既プレイヤーも新規の方も一度はマニュアルを熟読することを強く推奨する。特に既プレイヤーはコントローラーでの操作がSFCから大きく変わっているため、読んでおいた方がいいだろう。

Romancing Saga 2 プレイングマニュアルは(存在していれば)他のタイトルでも同じ方法で読むことが可能だ。

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