闇へ向かうか右へ進むか『片道勇者』

ゲームタイトル:
開発元:
パブリッシャー:
定価:
350円
Plus
650円

1980年、『Wizardry』と並ぶ歴史あるPCゲームに『Rogue』がある。その名称では日本であまり馴染みがないが、「不思議のダンジョン」という商標であればわかる方もいるのではないだろうか。

片道勇者

プレイする度に変化するダンジョン構造、拾っただけでは正体すら分からないアイテム。運だけではなく、ゲーム中でありとあらゆる手段を用いて困難を打破するゲームデザインは、現在でも様々なジャンルに受け継がれている。今回はその『Rogue』にちなんで名付けられたローグライクというジャンルの中でも異端児であり、ドラスティックな新解釈で大ヒットを遂げた『片道勇者』を紹介する。

ただひたすらに右へ
片道勇者

本作品を異端児と称するには理由がある。本家である『Rogue』は目的のために地下へとどんどん潜っていく。そして、ローグライクは基本として階層毎に分かれた場所を探索して進むのに対し、本作品は同一階層を一方方向へと進み続ける。この一方方向というのが本作品における最大のポイントであり、他のローグライクと一線を画している。

片道勇者 後述するが左端を通過すると問答無用でゲームオーバーとなる。
片道勇者
片道勇者 ゲーム開始時にお供の妖精イーリスと共に出立する。暇があったら話しかけて構ってあげるといい。

闇が世界を呑み込むというのは喩えではない。左端に見える闇は画面の左上端から左下端まで繋がっており、過ぎゆくものを形も残さず消滅させていく。そのため、闇が呑み込む前でしかどのようなものであれ生き残ることはできない。また、一歩動けば時間もそれに応じて進み、全てのキャラクターは魔王だろうが闇だろうがその原則に従う。

片道勇者
片道勇者
道中にはダンジョンや街や施設も点在している。余裕があるなら寄ると良いだろう。

そして憎たらしいことに、本作品では道中のモンスターだけが敵ではない。山や川といった自然、自身の腹具合までが牙を剥く。一歩動けば時間が応じて動くと書いたが、厳しい地形を超える際はそれに応じた時間経過が発生する。ステータスにある登山Lvと水泳Lvで軽減はされるが、登山や遠泳は非常に大きなデメリットを負うことになるため推奨しない。また、行動すればお腹も減っていき、空腹も度が過ぎれば行動にペナルティがかかってしまう。得るものがなければ無理をしないのも大切なことである。

片道勇者
片道勇者
世界は十人十色千差万別
片道勇者

世界はプレイする度に名前も変わる。この世界の名前がマップ生成のトリガーになっており、どの世界へ旅立つかもプレイヤーが自分で決めることができる。

片道勇者 もし同じ世界を遊んだ他のプレイヤーがいれば左上に動向も表示され、簡易的な道案内も担っている。

そして、千差万別なのはマップだけではない。キャラクターはプレイヤー自身がクラスとステータス、開始時の恩恵を決めることができる。この事前準備に何を選ぶか決まったテンプレートはない。好きに決めて世界へ飛び込もう。

片道勇者 色々な組み合わせから自分のスタイルを生み出そう。
片道勇者

ステータスでも細かい違いはあるが、プレイに強く影響するのはクラスである。クラスごとに戦術は大きく変わり、それぞれ固有のアビリティも変わってくる。例として、初プレイ時のオススメのクラス”騎士”であれば「グレートウォール」のスキルを使用すると、相手から受けるダメージを大きく減少させることができる。スキル以外の面では、アイテムのエキスパートである”冒険者”や、遠隔攻撃のエキスパートの”狩人”など多岐にわたる。また、クラス共通のスキルに“覚醒”があり、プレイを通して5回しか使えないが3ターンの間一方的に行動できる最強のスキルである。画像のような絶望的な地形に囲まれた状況すら覆せてしまう。

片道勇者
片道勇者

そして、冒険の果てに待ち受ける道は魔王に勝つ未来だけではない。道半ばに倒れることもあるだろう。だが、どんな結果であれプレイヤーはその経験や知識を全て貯蓄できる。更に、プレイ後は結果に応じたポイントが支給され、これを使用することでアイテムの持ち越しや様々な追加要素が解放できるのだ。

片道勇者 解放される要素は様々。自分の進め方に合わせて選んでいこう。
世界の果てには何が待つ

本作品は元々フリーソフトとして公開された経緯があり、作者であるSmokingWolf氏の制作エンジン『Wolf RPGエディター』(ウディタ)の記念作品として公開された作品である。現在でもフリーウェア版は公開されており、Steam版はDLC”Plus”へのシームレスな引き継ぎと専用サーバーでのプレイ、英語版の同封といった違いがある。フリーウェア版を既にプレイしている人ならば、Steam版と追加要素が数多く増えたPlusを購入するといいが、未プレイのユーザーであれば、まずはフリーウェア版でどのようなゲームか触ってみるのがいいだろう。DLCでもあるPlusはかなりの追加要素を含んでいるので、Steam版を買ったとしても、まずは無印版からある程度遊ぶことを薦める。

片道勇者
片道勇者
更にアイテムやイベントなどが増えた拡張版のPlus。先の読めない展開が無印よりも増えている。

また、『片道勇者』をベースとして全く新しいゲームにした『不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ』も発売されている。こちらは原作は一緒だが、完全に別物となっており既にプレイした人でも全く違うゲームプレイを楽しめるだろう。

闇に呑まれ何度倒れようが知識と経験は失われない。プレイを重ねれば最後に闇は晴れるであろう。『不思議のダンジョン』の初期のキャッチコピーは「1000回遊べるRPG」であったが、『片道勇者』は自分の求める結果を1000回と言わず望む限り永遠に追い続けることができる。
もうすぐ年末に差し掛かるが、多大な時間を闇を払うのに使ってみてはいかがだろうか?

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