一秒毎に一時停止。ハードワーク ・タワーディフェンス『Winged Sakura: Mindy's Arc』

ゲームタイトル:
開発元:
パブリッシャー:
定価:
1,480円
OST
498円
Litchi 筆者:Litchi
Steam プロフィール

『 Winged Sakura: Mindy's Arc 』は、タワーディフェンスゲーム (以下TD)。
画面右から敵が進行してくるので、左の本拠地への到達を阻止しよう、という内容のゲームだ。
「TD」といえば、一直線上のルートの周囲にタワーを設置する光景が思い浮かぶことだろう。
しかし本作は、レーンごとに防衛を行う 『 Plants vs. Zombies 』 のような、TDとしてはなかなか珍しいシステムをしている。
機械的な世界観が多い他のTDとは違い、女の子が魔物を使役して戦うというファンタジーな設定をしていながらも、そのかわいい見た目とは裏腹に歯ごたえのある独特なゲーム性を持っている。
”防衛する”というよりも”真正面から迎え撃つ”、好戦的なTDなのである。

Winged Sakura: Mindy's Arc 左向きのユニットが敵、右向きが自軍。規定WAVEを守りきればステージクリアとなる。

本作の一番の特徴。それは “忙しさ” だ。
敵が向かってくるレーンは5本。マス状に分割されているどこかに味方のユニットを置き、敵を迎え撃つことになる。が、行列をなして進行する敵の物量は10や20をゆうに超える大群だ。
対し、自軍のユニットは1ステージにつき最大で8種類までしか持ち込むことができない。
ユニットはコストさえあれば好きなだけ設置できるが、HPの概念が存在しない代わりに数秒しか存在できない上、基本的には敵に衝突されるだけで即消滅。再設置するまでにはクールタイムもある。
これらのシステムから実際の戦いでは、同時に存在できる同一種のユニットはせいぜい2体前後となり、8種類全てのユニットを駆使したとしてもフィールド上の全自軍ユニット数は10体前後しか戦っていられないことになる。
では、それをふまえて以下の状況を見てみよう。

Winged Sakura: Mindy's Arc 繰り返すが、左向きのユニットが敵、右向きが自軍だ。

如何に数の劣勢を強いられているか、おわかりいただけるだろうか。
本作の忙しさというのは、劣勢からなる緊急性が生んだ産物であり、常にユニットを設置し続けないと押されてしまう危うさを意味しているのである。

このように、自軍1体の重要性は数の比から見ても歴然で、少しの判断ミスでも命取りに繋がりかねない。だが凌ぎ続けるには正確な配置を一瞬で、それも何度も行う必要が求められる。
と、この説明だけでは一見、難易度が高いゲームに思えるかもしれない。でも、大丈夫。
本作には 「スラテジックポーズ」 という一時停止機能が搭載されている。
これは文字通り敵味方の動きを止めるというものだが、一時停止中でもユニットの配置は可能となっているため、じっくりと考えながらプレイできる。
当然、ペナルティもなく何度でも使い放題なので、どんなに忙しくても冷静に確実な操作を行える。

では、この一時停止を使った防衛が実際にどんなものか、こちらに動画を用意したので雰囲気を感じてほしい。
一時停止を酷使しなければ防衛が追いつかない展開の速さを見れば、本作をハードワークTDと評した理由がわかるはずだ。

……実に地味、というよりテンポの悪いゲームに見えるかもしれない。しかし、実際にプレイしていると、常に思考しながらのプレイは忙しく休まる暇がない。
先ほども記したように一時停止機能は使い放題であるため、のんびりと考えながらのプレイができるのだが、操作に慣れてくるにつれ使い方は変化していく。動画のように "クールタイムが終わり次第すぐに配置するための見極め" として機能していくのだ。

8体のユニットの役割をしっかりと理解し、どこに設置すれば良いかの判断は一瞬で下しながらも、ホットキーを駆使して操作を最適化。設置自体も1マスずれる程度ならば影響はほぼ無いため、多少雑な操作でも速度重視ですぐに済まし……といったように、秒単位でのポーズは大量の軍勢に対し常にユニットを設置しておくための操作であり、何も熟考のためだけではない。
画面左下の各ユニットアイコンが暗くなっている時に表示される時間。これが次の設置までのクールタイム表示なのだが、注目していると、頻繁に一時停止を使っていながらも実はギリギリの戦いになっていることが見て取れる。
ゆっくりできるはずなのに、慣れにより上がっていくゲームスピードと作業量。ここに、本作のおもしろさが詰まっているのである。
……余談だが、この動画でプレイしているステージはゲームクリア後のエンドレスモード内のワンシーンであり、序盤からこんなにも忙しいわけではないので安心してほしい。

Winged Sakura: Mindy's Arc ユニットはストーリーを進めると順次加入。ここから8キャラを選んで編成する。
(一部本編クリア後加入ユニットが居るためモザイク処理)

そんなとても忙しい本作ではあるが、TDだけでなくRPG的な要素もある。
各ユニットとそれを使役する主人公自身にはレベルが存在し、ステージクリア時の経験値でレベルアップ。その際に上がるパラメータは1レベルでも十分な差が出るほど、目に見えて成長する。
また、ユニットには装備品もあり、レアリティと強化度合いを示す ”+” の値が高いほど強くなる。より良いものへ新調していくことでさらなる戦力増強が可能だ。
こういった恒久的なパワーアップ要素により、どこかで詰まったとしても少しレベルを上げるだけで突破でき、一見難しそうな戦闘もストレスを感じることなくサクサク進められるのである。

Winged Sakura: Mindy's Arc 中々のボリュームがあるストーリーも必見。ただし日本語訳は無いので……がんばろう。

見慣れたものばかりが並びがちなTD。横進行レール型の防衛や成長要素のある本作を、TDとして分類するかは微妙なところかもしれない。
しかし、いざプレイしてみると防衛している時の焦燥感はTDそのもの。それでいて ”待ち” のTDとは違う ”攻め” の防衛を求められるシステムは、熱中させてくれる不思議な魅力も持っている。
さらにここへ、物語中盤で手に入るとある能力が使えるようになると、先ほどの動画とは比べ物にならないほどの殲滅力が生まれる。中盤からということもあり詳細な説明は控えるが、TDなのに敵を一方的に蹂躙する、まったく別のゲーム性へと変貌する。他のTDとは毛色の異なるおもしろさを感じることだろう。
普通のTDに飽きた人、苦手意識を持っている人、もちろん得意な人も、この忙しい本作をぜひプレイしてみてはいかがだろう。

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