青と緑の惑星を、悠々自適に探索しよう『Grow Home』

ゲームタイトルGrow Home
    開発元Reflections, a Ubisoft Studio
パブリッシャーUbisoft
     定価:1,037円

筆者:Litchi
Steam プロフィール

『Grow Home』は、ひたすらに空を目指すアクションアドベンチャーゲーム。
主人公は、惑星調査用ロボットとして、動植物の調査活動を命じられるロボットだ。
舞台となる惑星には「スタープラント」という大樹が生えており、これを2000mの高さまで成長させ、種を収穫し、地球に持ち帰ることが目標となっている。

Grow Home
画面中央の巨大な幹が、大樹「スタープラント」

調査とはいうものの、時間制限や残機といったリミットは無い。
例え1000日経過しようが、10000回壊れようが、ゲームオーバー自体存在しないのだ。
加え、明確な敵や殺意溢れるギミックの類も無ければ、スコアやタイムアタックなどの競争要素も無い。
そのため、難易度という面で見ると簡単というか、そもそも難しいも易しいもないという、実にカジュアルなゲーム内容となっている。

[シンプルな操作性と行き届いた配慮]

ひたすらに上を目指す主人公ができるアクションはジャンプの他、"掴む"ことによるクライミングのみ。
掴みは、右手と左手それぞれ、ボタンを押している間だけ物に張り付く仕組みで、これを交互に上へと動かして、登っていく。
自身のスケールと比べるとあまりに大きい世界に対し、実に地味なアクションである”掴み”だが、この操作にはフラストレーションを感じさせないような一工夫が組み込まれている。
張り付いていない方の手は、プレイヤーのキー入力の方向に対応した上で、掴めるものへと自動で補正し動いてくれる。
また、掴んだことがわかる「カチッ」という小気味いいSEと、掴み中かどうかを示す○×アイコンが、掴み損ねを防止する。
このように、一見するとじれったいクライミングにも、スイスイ進むことが出来る操作性が備わっているため、想像よりもずっと快適に動かすことが出来る。

Grow Home
使うボタンはアクションゲームにしてはシンプル

[高い幹を登り、上へ上へ]

大樹のそこかしこからは、つぼみの生えた枝が生えている。
つぼみは掴むと、自由に伸ばすことが可能で、空中に点在している栄養を蓄えた浮島にくっつけることで、大樹を成長させることが出来る。
これを繰り返していくことで、目標である2000mを目指していく。
この時、伸ばした枝というのが重要で、一度伸びた枝は、ゲームがどれだけ進もうともずっと残り続ける。
ふと真下を見たとき、落下したとき、下から見上げたとき、そこには自分自身が伸ばした枝があって、景色を彩る重要な要素として常に視界へと映るわけだ。
広がる絶景の中に、自分の作った不恰好な道があるというのは、なんとも言えないおもしろさがある。

Grow Home

[さりげなく仕込まれる探索要素]

本作には収拾要素として、「図鑑」と「クリスタル」というものがある。
「図鑑」は動植物のちょっとした解説が見られるようになるというもの。
ここで知ることの出来る内容は、まったくクリアに関係しないことではあるが、世界観を構成するための大事なピースであることは言うまでもない。
個人的には、こういったちょっとしたものが用意されていると調べてみたい欲求が生まれるので、地味ながらも大変重要な加点要素だと強調しておきたい部分である。
「クリスタル」の方は主人公の動力源という設定の鉱石で、一定数集めるとブースターが使えるようになるもの。
ブースターは探索時の移動を助けてくれる便利なものなので、積極的にクリスタルを見つけていきたい。

Grow Home
グライダーやパラシュートといった道具も存在する

そしてこの二つは、例えば浮島の裏側にある洞窟や、地面の裂け目から通じる狭い場所など、普通に上を目指しているだけならまず行かない場所にあったりする。
つまり、探さないと見つけることが出来ないようなちょっとしたスポットが、この世界には用意されているというわけだ。
崖に掴まり、陰になっている部分へと足を運んで、洞窟を発見した時の小さな感動。
隅々まで歩く価値がきちんと作られていることは、本作を語る上で外せないポイントだ。

Grow Home

[絶景の中を落ちる気持ちよさ]

先述したように、本作には残機やゲームオーバーという概念が無い。
死亡したとしてもペナルティすら無いため、足を踏み外して落ちる、ということにストレスは無い。
落下の際には周りを見渡し、風景を楽しむ余裕が生まれるほどだ。
何百mもの高さを、文字通り全身で風を感じながら、ただ無抵抗に重力へ引かれる中、グライダーやパラシュートを使えばリカバーはすぐにでも出来るはずなのに、このまま落ちてもいいとさえ思えてしまう。
その理由は、ふわふわとした強風に煽られるような感覚と、風の音だけが聞こえる状態が、絶景の世界と合わさり、最高に気持ちいいからだ。
この気持ちよさこそ、このゲームをプレイしてしまう魅力の最たる要因、おすすめする理由。
数々のスクリーンショットを見ていただければきっと、その魅力の断片は伝わるはず。

Grow Home

明暗のはっきりとした明るい世界はどこまでもきれいに見通せ、空と海に青く染まる惑星は、自然とカメラを動かしてしまうほどに美しい。
高度限界まで昇ったとしても表示され続ける、地面までの光景は、どこからみても飽きることはない。
昼夜の存在により夕陽や夜空で彩られる木々は、一瞬の美しさに目を奪っていく。
ただ探索するだけ、上に登るだけ、といってしまえるゲーム性に、気づくと夢中になってしまう。
冒険する世界が美しく、魅力に溢れるならば、目標がシンプルでも楽しくて仕方が無いのだ。

Grow Home

本作には日本語も標準搭載されている。全体的なボリュームは2、3時間と多くは無いが、時間当たりの密度、満足感という点で言えば、値段以上の内容だと言えるだろう。
ぜひとも『Grow Home』の世界で、青と緑の中を落ちていく開放感に癒されてみてはいかがだろうか。

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