リズムに乗って、ビートを刻んで、ローグライク『Crypt of the NecroDancer』

ゲームタイトルCrypt of the NecroDancer
    開発元Brace Yourself Games
パブリッシャーKlei Entertainment
     定価:1,480円

筆者:Litchi
Steam プロフィール

あなたは『不思議のダンジョン』と銘打たれるゲームをプレイしたことがあるだろうか。
入るたびに構造が変わるダンジョンと、そこに裸一貫で突入し、アイテムをやりくりしながら深淵へもぐり続ける、ローグライクゲームだ。
ランダムに次ぐランダム要素が盛り込まれたこのシステムには「とっさの場合どうするか」という状況判断能力と「もしものときの備え」をどれだけ考えられるかというプレイヤー自身の経験値がものを言う点が、高難度になればなるほど顕著に現れてくる。
自分主導のターン進行は、頭を使うという要素を尊重し、一度の行動に対して重みを与え、時間をかけてじっくり思考することが攻略の鍵になるわけだが……。

Crypt of the NecroDancer
狭い部屋、敵に囲まれている。長考したくなるが許されないゲーム性。それが本作だ

さて、ここから話を『Crypt of the NecroDancer』に移していこう。
このゲームもローグライクゲームであり、ダンジョン構成がランダム、裸一貫スタート、マス目移動などなどシステムに覚えのある部分が多い。
本作では、ここへある要素が組み込まれ、まったく違うゲームジャンルへと昇華している。
その要素とは"リズム要素"。
ゲーム中は常に一定のビートによるテンポが画面下部に示され、この表示に従いダンジョン内のあらゆる時間が進行していく。
つまり、1テンポ=1ターンということで、自分が何も行動してなかったとしても、敵は行動する。
心臓の鼓動に合わせた"だんッだんッ"という一定のリズムが世界の時間を支配し、プレイヤーは置いていかれないよう背中にプレッシャーを感じながら操作を強要される。

Crypt of the NecroDancer
画面下部の心臓とそこに向かう縦線がリズムの目安になる

リズムに乗れなかった場合、操作はミスとなり無効になるため、移動、攻撃、アイテムの使用など、すべてはリズムに乗って行わなければならない。
逆に、連続でリズムに乗り続ければ、コイン(=通貨)ボーナスを得ることが出来る。
本作の目玉であるこのリズム要素は、どんなに難しい状況であろうとのんびり考えることを許してくれない。
結果、アクションゲームさながらの早い判断とプレイングを要求される内容へと化けているのだ。

Crypt of the NecroDancer
チュートリアルやトレーニングは丁寧に用意されている。腕に自信が無くても安心だ

この変化は単に難易度を上げるわけでも、考えるおもしろさを損なわせるわけでもない。 リズムが組み込まれたことで、ゲームの様々な部分に影響を与えた。

当然だが、敵もリズムに乗って行動をする。するとプレイヤーは敵に合わせて行動せざるを得ない。
例えば、敵側が2ターンに一度移動する種類の敵であったら、ヒットアンドアウェイの戦い方をするためにどうすればいいか。
あるいは、移動法則に癖のある敵へ対応するには、どうすればいいか。

Crypt of the NecroDancer
青スライムは縦移動のみ、スケルトンは2ターンに一度行動など、すべての敵は動き方に特徴がある

答えは単純で、こちらも動き方に少し工夫をすればいいだけなのだが、一定のテンポを保ちつつ、どう動けばいいか考え操作するのは、想像以上に難しい。
もちろん、セオリーさえわかってしまえば自然と出来るようになるが、敵に囲まれたときや窮地に瀕したときに混乱することなく考え続け、動きを止めずかつ冷静にリズムを保てるかというと、ゲームに慣れても大変だ。

Crypt of the NecroDancer
次のフロアへの階段はボスを倒さないと開かないため、逃げ一辺倒のプレイはできない

目の前に強敵が立ちふさがろうとも、指が勝手に動き続けてやられてしまうことだって当たり前にある。

では、どうして止まることができないのか。その理由こそ、今まで記してきたリズム+ローグライクの融合した姿にある。
BGMは思わずノってしまうかっこいいものばかりだし、タイル上の地面はビートに合わせて明滅、まるでダンスフロアのようににぎやかしてくれる。

まばゆく明滅する足元の光がチカチカとビートを刻み、画面全体を盛り上げてくれる

それでいて、攻撃は敵に対して接触するだけの簡単仕様。武器だってリーチが2マス先まであるもの、横3マスあるものなどが当たり前で、サクサクと戦闘が進む。
指を動かしていると、自然に自分の鼓動とゲームのビートがシンクロするかのように感じるのだ。
リズムに合わせなければいけない、という強迫観念じみたシステムは、実際にプレイするとかなり余裕がある。
リズム感がなくても自然と出来るほど甘い判定でありながら、裏拍で動き続けても有効としてくれるほどしっかりした作りだ。
やられても「もう一回だ」という気持ちにさせてくれる中毒性は、こういった気軽さに同調できているリズム要素が、うまく機能しているからに他ならない。

Crypt of the NecroDancer
最深部ではボスとの戦いが。彼らはみな一癖二癖ありたいへん手ごわい

やりこみ要素だって用意されている。
ダンジョン内ではコインのほか、ダイヤという特別な通貨も拾え、アイテムや武器、最大ライフなどをアンロックするために使用できる。
例え最初はつらくても、繰り返しプレイしていけばこのダイヤによるアンロック要素が自然と充実し、少しずつ楽になっていくというわけだ。

Crypt of the NecroDancer
アップグレードはどれも大変有用。プレイの幅をぐっと広げてくれる

プレイアブルキャラクターも一人ではない。
「攻撃ができない」「リズムを外せば即死」などなど、様々なプレイスタイルを強いられる個性豊かな面々がたくさん。
デイリーダンジョンも存在し、世界のプレイヤーとランキングを競うあう事だって可能。
本編をクリアしてからが本番、というローグライクのお約束要素もばっちりというわけだ。

Crypt of the NecroDancer
DDRコントローラ(ダンスパッド)による操作も対応済みだったりする

最後になるが、本作は日本語でプレイ可能だ。また、BGMを自分の好きな曲に差し替えることができる仕様もあり、Steamワークショップに対応しているコンテンツもある。

気軽にでき、それでいていつのまにか時間を盗まれるローグライク。
リズム要素を加えたことによるおもしろさを感じるにはやはり、実際にやってみるのが一番だ。
忙しさの中、音楽に乗り思考を巡らせる独特の楽しさ、ぜひとも味わってみてはいかがだろうか。

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