「Valve グッズ」および「Steam ハードウェア」のオンラインショップ移転のお知らせ

この大空に、翼をひろげたなら『AER Memories of Old』

ゲームタイトル:
開発元:
パブリッシャー:
定価:
1,880円
OST
310円
Litchi 筆者:Litchi Steam プロフィール
AER Memories of Old

『AER Memories of Old』は、広い空を自由に飛びまわる、アドベンチャーゲームです。
主人公は、人間にも鳥にもなれる特殊な存在。冒険の舞台は空に点在する数々の浮島という独特の世界で、主人公に課せられた使命は「迫りくる”闇”から世界を救う」ということ。主人公はこの世界を救うため、とある特別なランタンを持ち、寺院や遺跡を巡る冒険を始めるのです。
しかし、そんなシビアな設定とは裏腹に、本作には戦闘要素が一切ありません。それどころか、時間制限も、ゲームオーバーも無し。どこまでも平和な世界です。さらに、実績を除けば収集要素も無く、ミニゲームの類すら無い。何から何まで無い無いづくしときています。
ただ澄んだ空を飛ぶだけ、と言い切ってしまえるような、単調極まりない本作。そんな本作の魅力とは、一体どんなものだと思いますか?

AER Memories of Old 日本語が完備されているので、安心して文献のお話を追いかけることができます。
ただ、翻訳が残念なのか、あるいは描写が独特なのか、少々難解なところがあります。

さて、本作における目標は単純明快です。特定の場所へ行き、遺跡や寺院を攻略することです。
最初は目的地となる遺跡や寺院を探すべく、鳥になって大空を自由気ままに飛び回り探索をします。目標となる場所の方角は、道中の会話である程度教えてもらえるものの、空は広く、迷子になることもあります。ですが、目標地点からは光の柱が伸びていて、ある程度近づけばわかるようになっているので、私のように、話を聞いていなかったり、方角を忘れてしまったりする人も安心です。何より、気ままにぶらついているだけで辿り着けるのは、ランドマークの乏しい空の探索において、とてもありがたいですね。

AER Memories of Old ストーリー進行にかかわらず、最初からどこへでも行くことのできるオープンワールドな本作。
どこでもマップが開けるので、迷子になっても安心です。

空を廻る探索は、本作を彩る最も魅力的な要素です。翼で風を裂き、全身を空に溶かして泳ぐと、何にも変えがたい独特の爽快感で心が満たされます。この感覚が特別に気持ちよく、とても楽しいのです。
本稿では特に、この点について強く語っていきたい所存ではありますが、百聞は一見にしかず。とりあえず、いくつかの画像や動画を見ていただくことで、その断片を感じてみてください。もし、それだけで心引かれるのならば、これ以上読み進める必要はありません。すぐにでもゲームを始めてください。

では続いて、肝である鳥形態時について、解説をしていきましょう。
鳥に変身するには、空中でジャンプボタンを押すだけ。要は2段ジャンプですね。スタミナに当たるものが無いので、いくら羽ばたいて速度を上げようと、あるいはずっと変身していようと、強制的に中断させられるような制約は一切ありません。もちろん、敵対存在もいないため、心置きなくいくらでも飛び回ることができます。そして、動画を見ていただければわかるように、最高速度が速いわりに、かなり小回りが利いた動きが可能。素直に操作できることも、爽快感を楽しめる要素となっています。
このように、鳥形態はあらゆる面においてストレスフリー。羽ばたいて、時々思い出したように人間形態に戻り、再び鳥として羽ばたく。雲と風に挟まれて、島々を眺めながらの遊覧飛行の快適さは、ただそれだけで本作をプレイする理由になっているのです。

AER Memories of Old 最低速度の状態では、ほぼ直線上に滑空してくれます。
高度維持に意識をさく必要が無いため、のんびりと景色を眺められます。

”屋外パート”とも言える空の旅についてはひとまず脇へ置き、”屋内パート”に当たる遺跡、寺院についてお話しましょう。建物の内部で行うのは、人間形態でのジャンプアクション。各所の仕掛けを作動しながら、奥へ奥へと進みます。ここでは、外と違って鳥形態には成れません。しかし、アクション難度や仕掛けはとても簡単で、道に沿って明かりの示す先へと進めば、何一つ迷うことなくすんなりと攻略できます。難易度は皆無と言えるでしょう。
よって、このダンジョンにおいて楽しむ部分は、アクションゲーム的な事柄ではなく、やはりここでも空と同じ”雰囲気”なのです。

AER Memories of Old

何に使うのかよくわからない機械群、ぎこちなく動く歯車たち、断片的なテキスト類。この世界のかつての姿を想像すると、地に足をつけることでしか見えない物があることに気づきます。どこもかしこも縦に広い空間は開放感がありますが、人間形態では手が届きません。そんなとき、ふと空と翼が恋しくなることがあります。見上げた先にある天井が、差し込む光が、恨めしくも魅力的に思えるのです。

AER Memories of Old

鳥として飛ぶ楽しさに夢中になるほど、ダンジョンは不自由に感じるでしょう。逆に、ただ浮かぶだけの空中散歩に飽き始めたら、屋内の薄暗い場所が落ち着くかもしれません。
屋内と屋外、それぞれ特徴の違う2つの側面が、互いの良い部分を補足しあい、ゲームに緩急をつけています。結果、双方の楽しさは良い塩梅で維持され、何も変化が無いはずのゲーム性も楽しく続けられるのです。本作に横道が無くても満足できるのは、そのシンプルさが理由になっているからかもしれません。

AER Memories of Old 実績以外には関係の無い洞窟では、この世界についてのお話が聞けます。
神話然とした設定は不思議な世界観を秘めています。

と、ここまで魅力を語っておいて水を差すようですが、実は惜しいと評される点もあります。それはボリュームです。
最初にも記したとおり、本作には他のゲームであるような横道的な部分が一切ありません。その結果、クリアまでのプレイ時間は2~4時間と非常に短く、全体的にあっさりとした印象になってしまっているのです。難易度やストーリーという観点から評価しても、アドベンチャーというよりは、”鳥シミュレーター” なんて分類をした方がしっくりくるかもしれません。
ですが、空を飛ぶことだけを追求した時、抽出される中身はきっと、これぐらいシンプルになるのではないでしょうか。本作を終始楽しんでプレイした身としては、このおもしろさにボリュームなんて関係ないと言い切れます。短さを感じたということは、それだけ夢中になれていた、ということなのかもしれません。

AER Memories of Old

フライトシュミレーションを始め、空を飛ぶことを主題としたゲームはたくさんあります。当然、本作の代わりに当たるゲームもたくさんあるでしょう。『AER Memories of Old』は、空を飛ぶ鳥の気持ちよさを個性としてしっかりと確立しています。そしてそれは、動画や言葉で知識として知ったところで、自分でプレイしない限り決して理解できない特別な魅力です。もしあなたが日常の中で空を見上げ、鳥が飛ぶ姿に憧れを抱いた経験があるなら、その憧れのまま、本作を楽しめるはずです。

記事一覧に戻る

今すぐウォレットチャージでこのゲームをゲット!

PROスチーマーのSteamグループが出来ました!よろしければ参加をお願いします!