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なんでもいいからバラバラにしたいぞ。『World of Guns: Gun Disassembly』

ゲームタイトルWorld of Guns: Gun Disassembly
    開発元Noble Empire Corp.
パブリッシャーNoble Empire Corp.
     定価:無料
    DLC:4,980円 (永久アクセス)

筆者:GREENER
Steam プロフィール

今回ご紹介するのは子供の頃に誰もが抱いたであろう想い、機械を分解したい、できればその仕組みを知りたいという素朴な知識欲を満たす男の子のためのソフトだ。ちなみにゲーム性には乏しく、従ってゲームと呼ぶのは躊躇われるのだが、かと言って実用性のあるツールでもないので知育玩具のようなものだと思っておこう。

World of Guns: Gun Disassembly
変則DAOいいよね……

やれることは単純。内部まで精巧にモデリングされた銃がいくつもある。適切な順番でパーツをクリックしていけばネジ一個ヒゲバネ一本に至るまで分解することができ、その状態から組み立てることもできる。さらにはカッタウェイモデルにしたり、パーツを色分けしたり、個別に非表示にしたり、1/10倍速やら1/50倍速にして各部がどう連動するのか作動する様子をじっくりねっとり観察することも可能だ。ひたすらに銃という道具を、エンジニア達の苦心の結晶をねぶり尽くせるのだ。ぺろぺろ。

World of Guns: Gun Disassembly
ほほー、組み込みサプレッサはこうなってるのかー

オマケとして車や骨格標本なども用意されているが、挙動の確認ができるのは銃器のみだし、車もエンジンは流石に触れなかった。それでも1000近いパーツに分解できるのだから大概だが、とにかくちまちまバラしたり組んだりしてるとポイントが溜まって新たな銃をアンロックできる、といった内容である。

World of Guns: Gun Disassembly
World of Guns: Gun Disassembly
社名の方で呼ばれることの多いデロリアンことDMC-12と人間の骨

さて、分解組み立て以外にはどんな楽しみ方ができるだろうか。具体例を挙げてみよう。

World of Guns: Gun Disassembly

コルト社のパイソンという銃がある。ニシキヘビを意味し、コブラ、キングコブラ、アナコンダといった同社の蛇シリーズを代表する.357マグナム弾を撃つことができる有名なリボルバーだ。フィクションへの露出も数知れず、過熱による陽炎で照準が阻害されないようにと備えられた銃身の上の放熱リブが特徴だ。もっとも6発限りの回転式でその機能を果たす必要が生じるわけもなく、主に見た目の迫力として愛されているとかいないとか。

World of Guns: Gun Disassembly

そしてもう一丁、同じく.357マグナム弾を撃てるリボルバーにスミス&ウェッソン(以下S&W)社のM19という銃がある。残念ながらM19そのものは収録されていないので、構造に大差はなかろうとここでは同社のM53に代役を務めてもらうことにした。ミリタリー&ポリス、ミリポリなどとも呼ばれる軍・警察用に開発されたM10の系譜に連なるもので、的撃ち用にスケールダウンさせて.22 LR仕様になったM17から派生した.22 Jet(または.22 CFM)も撃てるモデル……だと思う。識者に突っ込まれると怖いので積極的に語尾は濁していきたい。

コルトとS&W、この二社の製品はなにかと比較される。例えばこんな感じだ。

ご覧のとおり、コルトのシリンダーは射手から見て右回り、ちなみにライフリングは6条左回り。

対してS&Wのシリンダーは射手から見て左回り、ちなみにライフリングは5条右回りだ。

またコルトはフレーム側から生えたラッチピンがシリンダーを固定しており、ラッチを後ろに引くことでこの噛合を解除する。

対してS&Wはシリンダー後方から伸びるセンターピンで固定されており、サムピースを前に押し出すことでこの噛合を解除する。見事に正反対である。なんなんだお前ら、そんなに一緒は嫌か。一緒に帰って噂されたら恥ずかしいのか。

そんな反目しあってるかのような二丁だが、実はこれを掛け合わせた定番のカスタムがある。優れたトリガーメカを持つと言われるS&Wにパイソンの銃身を組み合わせる、通称スマイソン/Smython、またはスモルト/Smoltだ。普通こういうものは双方のいいとこ取りを目論むものである。それ程までにS&Wのメカは優秀なのだろうか。余計なパーツをすべてとっぱらって観察してみよう。

こちらがコルト社のダブルアクション動作。トリガーの動きひとつでハンマーを起こし、そのままリリースする。変わったところはない。

対してこちらがS&W社のダブルアクション動作。トリガーパーツの形状に秘密がある。もうちょっと拡大してみよう。

おわかり頂けただろうか。ハンマーを起こす作業はバネを圧縮することでもある。当然次第に重くなる。それは解放する直前が最大であり、正確な射撃には悪影響を及ぼす。しかしS&Wのトリガーメカは途中でパーツ同士の接点が入れ替わっているのだ。

World of Guns: Gun Disassembly
こんなんで本当にマズルジャンプが抑えられるんだろうか

初めはAとA'が触れ、いつの間にかBとB'にバトンタッチしている。板バネがたわみ負荷が大きくなるに連れて、トリガーで成立しているテコでは作用点が支点に近づき、逆にハンマーのテコでは力点が支点から離れる。言わば石が重くなるとテコの棒が伸びるのだ。結果、指に伝わる重さそのものはあまり変わらない、という仕組みであるらしい。なるほどよく出来ている。

……と、本作を使うとこういうことがわかるのである。よかった、本稿がゲームレビューだということをちゃんと覚えてた。

こんなんで本当にマズルジャンプが抑えられるんだろうか

ゲームというよりは触って弄れるデジタル辞典のような性格が強いが、エアソフトガンやモデルガンには不可能なアプローチ、内部構造への理解を助ける希少な手段。競合するものがない、唯一無二のソフトだ。正直今回の紹介は大多数の読者を置いてけぼりにしてる感がすごい。だが問題なく着いて来られたという人は、さくっとライフタイムアクセス(※)を買ってしまってもきっと損はしない。

※ 車や骨格は対象外だが、銃関連のツリーが今後の追加分も含めて生涯解放され続けるシーズンパスのすごいやつ

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