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モノゴトは色んな角度で見るといいらしい『Signal Ops』

ゲームタイトルSignal Ops
    開発元Space Bullet Dynamics Corporation
パブリッシャーSpace Bullet Dynamics Corporation
     定価:1,480円、2パック:2,220円

筆者:GREENER
Steam プロフィール

Signal Opsはひとことで言うと、多角的な視野を持つFPSである。 と言ってもすぐにはお分かり頂けないだろうから、まずNintendo64の007ゴールデンアイを思い浮かべて頂きたい。 読者諸氏の中にはあれが初めて遊んだFPSだという方も少なくなかろうと思う。 当時はオンラインなどあるはずもなく、その対戦はひとつのテレビ画面を四分割して行われた。 すると対戦相手の視界を盗み見ることも可能なわけだ。本作はそれを想起させるような、画面分割による複数人分の視界を同時に把握するゲームである。

さる秘密機関に所属する主人公はすでに前線を退き、薄暗い司令室にてエージェントを指揮する立場にある。 端末にはメイン画面の他に二つのサブ画面が配され、各エージェントが頭に取り付けた目線カメラからの映像信号、つまりシグナルが転送されて来る。 プレイヤーはそれらを同時に見ながら指示を出しあるいはその内の一人を直接操作して作戦を遂行する、ゆえにSignal Opsというわけだ。

Signal Ops
Signal Ops

この目線カメラはなかなかのポンコツで、ちょっと遠出するとすぐシグナルが届かなくなり砂嵐しか映らない。 これを解決するのが”BOLT”と呼ばれるエージェントで、点在する配電盤に中継装置を仕掛けて行動半径を広げていくのだが、巨大なバッテリー内蔵の送信機を背負ってうろつく姿はハッキリ言って怪しい。 挙動不審以外の何ものでもない。官憲に見つかれば即おロープ頂戴である。 そこでまず姿を見られても平気な非武装のSPYを先行させて周囲の状況を確認し、どうしても警官の巡回路とかち合ってしまうようなら話しかけて気を逸らす。 その間にBOLTに切り替え警官の背後を通り抜ける、といった具合にエージェント毎の能力を活かして任務をこなしていくのだ。

シグナルが届く限りは常に全員分の視界が同時に表示され続ける。 そのためこの時SPYの視界には目の前の警官の背後をこそこそ通り過ぎるBOLTが映るわけだが、そのどちらも操っているのは自分なわけで、自分自身とのCOOP、自分を客観視するもう一人の自分というビジュアルは想像以上に不思議な感じがして面白い。

Signal Ops

作戦区域の見取り図はクリップボードに留められた手描きのペラ紙が一枚っきり。 各エージェントの位置とシグナル到達範囲こそ示されるものの、各自がどっちを向いていてどこに死角が存在するのかはわからないし、直接操作中ではないエージェントへの指示はアクティブなエージェントの視界を通じてしか行えず、マップ上からこの地点へ行けといった操作はできない。 各員の視野は画面分割によるモニタのちいささを抜きにしても狭く設定されていて、誰にどこを見張らせるかは計画的に決めなくてはならない。ある意味でこのゲームは、全体を俯瞰することの出来る神の視点がないだけで、手駒を使って状況に対処するストラテジーであるとも言えるだろう。

Signal Ops

難易度が高いと感じるようであればフレンドに頼って見るのもいい。 三人までのマルチプレイヤーでも勿論バッチリ全員分の視界が表示されるのだが、それぞれが一人のエージェントを専任できるために俄然純然たるFPSめいてくる。 そもそもこのゲーム、直接操作モードではQEでリーンが出来たり、ホイールを回すことでドアをほんの少しずつ開け閉め出来たり、往年の特殊部隊ものタクティカルシューターじみた操作系統なのである。 筆跡も生々しい油絵のようなテクスチャとNHKの人形劇に出てきそうなデフォルメの効いた造形という愛嬌のあるグラフィックではあるが、Rainbow Sixのカジュアル化に嘆くような人種にもオススメできる。

Signal Ops

欠点もないわけではない。 メニュー周りの不便さは否めない感はあるし、なによりこのゲームには字幕表示機能がないのである。 本編に入ってしまえばブリーフィングもあるしやるべきことは全てクリップボードに書かれているのだが、困ったことにスキップ出来ないチュートリアルだけは英語音声による説明しかないのだ。

この指示を聞き取ってつつがなくやりおおせなければ本編が始まらないとなれば、敬遠したくなる気持ちはわからなくもない。 しかし、それらを補って余りあるほど他人の視界を覗き見するような感覚は楽しいし、視点を切り替えるのではなく常に全員分の限定的な視界を見せることで断片から全体像を把握させるシステムは面白い。 任務の性質もガチ戦闘、要人警護、潜入工作などなど各種揃っており、このまま埋もれさせるのは実に惜しい一本だ。

是非批判的な視点だけでなく、同時に寛容な視点でこのゲームを評価して欲しい。

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