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手ぇ動かしてる暇があったら口を動かせ!『Keep Talking and Nobody Explodes』

ゲームタイトルKeep Talking and Nobody Explodes
    開発元Steel Crate Games
パブリッシャーSteel Crate Games
     定価:1,480円

筆者:GREENER
Steam プロフィール

今回ご紹介するゲームは一言でいうと"デジタル二人羽織"である。……二人羽織って若い人にもちゃんと通じる表現なんだろうか。急に不安になってきた。念の為に言い換えると、本来ひとりでもやれる筈の、と言うよりひとりでなら問題なくやれる筈の行動を敢えて二人以上で分担してやると変なことになって面白いよねという、船頭を一杯乗せて船で山を登ろうみたいなパーティゲームだ。

そんなわけで、本作はひとりでは遊べないCOOP専用ゲーである。みんなで協力して時限爆弾の解体を行う。解除の方法に関しては、別途pdf形式とhtml形式の資料が用意されており、ざっと斜め読みするだけで誰でも即戦力になれる仕組みになっている。まさにマニュアル教育。ご一緒にポテトを潰して食べるドイツ人スパイを炙り出しませんか。

まそれはともかく、いくら手順がわかっても人間のやることだから手抜かりはある。なにせ物は爆弾だ。ミスったら爆発するのである。寄せ鍋をつつこうってわけじゃなし、そんならなにも車座になってひとつの爆弾を囲む必要はないのでは。誰かひとりが代表で作業をすれば、残りは資料の精読に専念したほうが効率的ではないだろうか。それがリスクマネジメントというものではないのか。

理想的な作業風景とは、つまるところこうだ。

Keep Talking and Nobody Explodes

かくして本作を遊ぶ上でもっとも尊重されるべきルールは決まった。実際のゲーム画面を見ていいのはひとりだけ、その者はマニュアルを見てはならない。マニュアルを見る者は何人いてもいい、ただしゲーム画面を見てはならない。必要な情報はすべて口頭にて交換し、ことの成否はいかに指示・説明がうまくできるかにかかっている。故に、Keep Talking and Nobody Explodes (しゃべり続けて、爆発させるな) というわけだ。

Keep Talking and Nobody Explodes

なんだったら解除担当が毛布を被るなりして覗き見を防止せよ、というこの説明を見るに、どうやら本作は一部屋に集って遊ぶオフラインCOOPを想定しているようである。とは言え、お互いの声が聞こえればいいのだから、以前紹介した()Discordのようなボイスチャットツールとマイクがあればオンラインでも遊べる。しかも5人だろうが10人だろうが人数制限もないし、解除担当以外は誰ひとりゲームを買わなくても、いや、Steamを導入すらしなくても、なんだったらPCなんか持ってなくても遊べてしまう。「DRM? なにそれ美味しいの?」状態である。

Keep Talking and Nobody Explodes
中央下のがカウントダウンタイマー オレンジのは未使用区画

さて肝心の爆弾はというと、幾つものモジュールで構成され、それぞれに対処法が違う。すべてのモジュールを無効化して初めて解除成功となるが、基本的にどれもヒューマンエラーを誘うようにできている。一番それっぽいワイヤーモジュールの場合だとこんな感じだ。

ワイヤーに関して

ワイヤーは電子機器の血液だ! 待て、違うな、電流が血液だ。ワイヤーは動脈の方が近いな。静脈? どうでもいいだろ……

  • ワイヤーモジュールは3~6本のワイヤーを備えている。
  • 正しいワイヤーを1本だけ切断すればモジュールは解除できる。
  • ワイヤーは上から順に一本目二本目と数える。

ワイヤーが4本の場合:

赤ワイヤーが二本以上あり、かつシリアルナンバーの末尾が奇数なら最後の赤ワイヤーを切断すべし。
そうではない場合、最後のワイヤーが黄色で、かつ赤が一本もなければ最初のワイヤーを切断すべし。
そうではない場合、青ワイヤーがピッタリ一本だけなら最初のワイヤーを切断すべし。
そうではない場合、黄色ワイヤーが二本以上あれば最後のワイヤーを切断すべし。
そうではない場合、二本目のワイヤーを切断すべし。

上のイラストの例では緑、赤、青、黄の4本なので、赤は一本だけだから一番目は該当せず。最後は黄だが赤もあるので二番目も該当せず。青も一本だけなので、この場合は緑を切るのが正解だ。……うん、豚くんたちは間違えている。不適切な操作をすると不吉なブザーとともに残り時間を示すタイマーモジュールに赤く失敗マークが灯る。2回まではセーフだが3ストライクでバッターアウトだ。

Keep Talking and Nobody Explodes
爆弾はぐりぐり回さないと見えない位置に付属部品があり、この有無でまた対処が分岐する

さらに口頭で説明することを逆手に取ったモジュールもある。

Keep Talking and Nobody Explodes

これはディスプレイの文言によって押すべきボタンが変わる仕掛けで、当然マニュアル担当は読み上げてくれと頼む。解除担当は時間を節約するために「ユーアー」と答える。ところが、マニュアル上には YOU ARE, YOUR, YOU'RE, UR といった紛らわしい候補達が憎たらしく踊っている。「それだけじゃわかんねーよ!」「いやわかれよ!?」と相手の不親切に憤る内にも残り時間はどんどん削れていくわけだ。実にいやらしい。中学生男子の考える、教育実習に来た女子大生のお姉さんとの個人授業くらいのいやらしさ(※)だ。
※その場合、二人羽織も意味が変わってくるよね!

初見殺しの類はまだいくらもあるのだが、きっちり罠にかかって欲しいので敢えて紹介はしない。本作はひたすらそうした相互不理解が産む悲劇(あるいは喜劇)を楽しむつくりで、それぞれがお互いの立場を知らなければ知らないほど面白い。マニュアル担当で遊びたいと思うなら、どうにかして解除担当を確保したら後は一生ゲーム画面なんざ見なくていいのである。同様に解除担当がしたいのならマニュアルの下読みは控えたほうが楽しめる。

Keep Talking and Nobody Explodes
徐々に難しくなるシナリオモードの他、自由に設定出来るフリープレイも

アマチュア無線だろうと糸電話だろうと構わないが、気軽に音声通話できる手段と相手を何人か思い浮かべられるなら、本作は馬鹿馬鹿しくも可笑しい一時を提供してくれる良作だ。正直いうと初回起動から慣れてしまうまでが真骨頂という、賞味期限の短い生鮮食品感はあるのだが、なにせ誰かひとりが買えばみんなで遊べるのだ。それを思えば価格に対して充分なリターンなのかもしれない。

最後に、有志が翻訳した日本語の解体マニュアルを幾つか紹介しておく。中身に大差はないのでお好みで。重ねて言うが、解除担当志望はじっくりとは読まないように。
http://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=532099697
http://fizzystack.web.fc2.com/ktane/ktane.html

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